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2007 ニュル24時間レース 現地レポート

2007年06月29日

アイフェル地方の緑がもっとも色濃くなる6月、ドイツ、ニュルブルクリンクは24時間レースの季節を迎えます。この「ニュルブルクリンク24時間レース」は、世界中から200台以上のマシンが参加する世界最大のツーリングカーレース。
『グランツーリスモ』がメインスポンサーとして参加した今年のレースの模様を、現地レポート でお届けしましょう。※このページの最後にプレゼントのお知らせがあります!現地で放映された中継映像をまとめた公式ダイジェストムービーです。レース展開はもちろん、コースサイドで盛り上がるギャラリーの姿などもしっかり収められており、ニュル24時間レースの雰囲気が味わえます。特集記事とあわせてぜひご覧ください。 ムービーを見る
ドイツ人の意思が生み出したレース

ドイツがクルマ大国である理由は、メルセデスやBMW、ポルシェといった超一流メーカーの存在だけでは語れません。高性能車のゆりかごであるアウトバーンや、トップドライバーを幾人も輩出してきたサーキットを見ると、ドイツ人自身が「自ら生み出した自動車の価値を認め、それを楽しむ」という強い意志を持っているかのようです。

そのことを端的に物語るレースがあります。
かつてジャッキー・スチュワートに“グリーンヘル(緑の地獄)”と畏れられ、ニキ・ラウダの人生を変えた世界一過酷なサーキット、ニュルブルクリンク。激しい起伏、一定しない路面グリップ、狭いコース幅とブラインドコーナーが襲いかかるこのコースを24時間走り回る。こんな、クルマ好きだけが考えつく破天荒なレースがドイツには存在するのです。それこそがニュルブルクリンク24時間レース(以下ニュル24時間)です。

ニュル24時間レースのコース図。200台を超えるマシンのピットエリアを確保するため、オールドコースとグランプリコースが接続された25kmの特設コースができ上がる (拡大するとコーナー名および取材ポイント解説を表示します)
プライベーターこそが主役

このレースはもともと、ドイツ自動車連盟が主催するローカルイベントでした。ところが1970年に初レースが開催されると、コースの面白さと参戦車両を問わぬ運営姿勢に人気が集まり、たちまちヨーロッパ屈指の人気イベントへと急成長を遂げていくことになります。
ニュル24時間を初めて観る人は、まずその参戦チームの数に圧倒されるに違いありません。2007年を例にとれば実に228チーム。まさにギネスブック級の数のチームが、ピットをシェアしながら24時間を戦うのです。

しかし、これほど巨大なレースであるにもかかわらず、ニュル24時間は往時の素朴さも失ってはいません。それは参戦車両を見ればわかります。 総合優勝を狙う有力チームの最新鋭マシンを除いて圧倒的多数を占めるのは、自ら愛車をモディファイし、トランスポーターでやってくるプライベーターたち。彼らが持ち込むマシンはゴルフ・ディーゼルから板金跡のあるBMWまで実にさまざまです。エアコン付きのメルセデス450SLCや30年落ちのNSUプリンツが走ったこともありましたし、2005年にはトヨタ・ハリアーがハイブリッドカーとして初参戦し、今年もシビック・ハイブリッドがグリッドに並びました。

彼らは同じマシンのチーム同士でパーツを融通しあったり、時にはコース上で助け合いながら日曜午後のゴールを目指します。300km/hで駆け抜けるレーシング・バイパーの脇を、必死にラインを見つけながら走るプライベーターのマシンを見守っていると、このレースの主役は間違いなく彼らであることが実感できるはずです。緑の谷を20数万人の大観衆が埋め尽くし、ヨーロッパ全土に中継されるほどのレースになっても、ニュル24時間が“世界一偉大な草レース”といわれるゆえんはこんなところにあるのです。

ニュル24時間レース決勝スタート1時間前のピットレーンとホームストレートの光景。誰もがここに集えた歓びを分かち合い、すべてのチームの健闘を祈る
今年の決勝レース中の1コマ。最新のGTマシンの前をマイペースで走る20年落ちのメルセデス560SEC。無事111位で完走をはたした
『グランツーリスモ』がメインスポンサーに

ニュル24時間が日本で注目されるようになったのは、'90年代も終わりのことです。
1999年、タイヤメーカーのファルケンがスーパー耐久マシンを持ち込んでニュルチャレンジを開始したことがきっかけとなり、自動車メディアなどがこの偉大なレースを伝え始めたのです。以降、日本人エントラントの数も徐々に増え、今では日本人の姿は決して珍しい存在ではなくなりました。

2007年は、'05年に一度活動を休止したファルケンがZ33で復帰を果たした(ドライバー : ピーター・ダンブレック/ダーク・ショイスマン/田中哲也/星野一樹)ほか、トヨタのIT事業を担う「GAZOO」が、2台のアルテッツァを8人のサラリーマンドライバーに託してゴールを目指します。また長年ファルケンのニュルチャレンジを支えてきた木下隆之選手が昨年同様現地チームからNSX-Rを駆って出場します。

日本人ドライバー同様、日本車の活躍も見逃せません。ニュル24時間には、シビックTYPE-RやNSX-R、インプレッサ、ランエボといった高性能の日本車が数多く出場しています。中でも圧倒的な存在感を放っているのがホンダ車勢。地元ディーラーの強力なサポートもあり、毎年クラスごとのトップ争いに絡む活躍を演じています。

また、このレースにずっと注目してきた『グランツーリスモ』も、今年はメインスポンサーという形でサポートを行うことになりました。今年の参戦車両はフロントウインドウ上に『GRAN TURISMO』のロゴステッカーを貼って24時間を戦います。2007年のレースが今まで以上に感動と興奮を呼び起こすことを願わずにはいられません。

参戦車両のフロントスクリーンに貼られた『GRAN TURISMO』のロゴステッカー。ウインドウグラフィックになじむようあえて黒地に白抜きとした
日本勢でもっとも注目を集めたファルケンのZ33。スーパー耐久用に開発された「Version NISMO Type380RS-Competition」をベースに、前後トレッドや灯火類をモディファイしたマシン。3.8リッターで400psを発生する

【 ニュルブルクリンク24時間レースTips 】

●ニュル24時間レースは毎年5月から6月の初夏の季節に開催されます。

●参戦車両は3つのディビジョンに大別されますが、その半数以上がFIAのグループA規定に順ずるディビジョン2です。

●ディビジョン2はさらに排気量と過給器の有無によってSP1からSP8までに小分類され、ポルシェGT3やバイパー、アストンマーチン、M3GTRといった総合優勝を狙うマシンはSP7/SP8に属します。ただしそれ以下のクラスにもM3や350Zやランエボ、S2000、シビックTYPE-R、ゴルフといった強豪マシンがひしめいており、あらゆるクラスで激しいバトルが期待できます。

●この他、改造範囲の狭い小排気量車、ディーゼル車、そしてハイブリッドカーのためのカテゴリーがディビジョン1です。今年はシビック・ハイブリッドが参戦しています。ディビジョン3はFIAのグループN相当のカテゴリーですが、改造範囲の狭さから耐久性維持が難しく、エントリーも数えるほどしかいません。

●初めて参戦するドライバーには、レースウィークの火〜水曜日にノルドシュライフェ・トレーニングという実地講習が義務付けられています。この講習に合格しなければ、金曜日の予選に出場することはできません。

●大観衆が集まってくるのは水曜日あたりから。大半がオートキャンプスタイルでやってきて、アウトドア感覚でレースを楽しみます。

●金曜日の予選は10:00-12:00と19:00-23:00の2セッションが行われます。各クラスのトップ3のタイムの平均が基準となり、その130%以内のタイムを出せなければ予選落ちとなります。なお参加ドライバーは全員最低2回のタイム計測が義務付けられています。1チームの参加ドライバーは4名です。

●1周20.832kmのオールドコースには現代的なピットがありません。そのためニュル24時間の日はオールドコースとグランプリコースが接続されて、25.378kmの特設コースが誕生します。決勝レースでは、このコースをトップグループで8分後半〜9分台、コンパクトカークラスで10〜12分台でラップします。

Photo by Yoshitake Ishikawa / グランツーリスモ・ドットコム
Text by グランツーリスモ・ドットコム
Special Thanks Yukari Ozawa / Naomi Otsuka

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第1部 レースレポート(前編)
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波乱のスタートから深夜の日本勢の戦いまでを紹介します

第2部 レースレポート(後編)
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明け方の異常事態、マーシャルの裏話などをお伝えします

第3部 レースリザルト
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Top20及びおもな日本勢の成績をまとめました

第4部 フォトアルバム
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予選からゴールまで、写真でめぐるニュルの熱い4日間

第5部 参戦マシンギャラリー
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今年のレースを走ったさまざまなクルマたちを写真で紹介します
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